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13 幸せになるまであと259日-1。
そんなある日、俺は風邪をひいた。
『あぁー。頭痛ぇ…』
『天野さん、大丈夫ですか?』
『うーん。』
『顔も赤いですけど、熱あるんじゃないですか?』
『そうかも…』
『そうかもって…うわ!!あっつ!!!』
俺のおでこを触った山崎が叫ぶ。
『あーも、大声出すな。頭に響くから。』
『あっ…すみません。天野さん…早退した方がいいんじゃ?』
『どうした?』
『あっ!!小宮さん!!天野さん熱があるみたいで…』
『えっ?大丈夫か?』
『大丈夫…じゃ…ないかも…』
うわぁ…頭ガンガンするし、目の前グラグラする…
これ相当ヤバイやつかも…
ちょっと年度末気張りすぎたかな?
次の年度に切り替わり、仕事がひと段落したせいか、急にフッと力が抜けたんだと思う。
俺、情けな…
『お前一人で帰れるか?』
『大丈夫です…』
山崎と小宮さんに会社の玄関まで送ってもらい、なんとか体を引きずりながら家まで帰って来た。
とりあえず寝よ…
服だけ着替えて布団に潜り込む。
寒いし、ガクガク震えるし、久しぶりに風邪なんかひいたな…
もう少しで眠りに入る…
というところで携帯が鳴った。
西野さん?
『も、もひもひ…』
「あ?天野か?」
『はい…』
「どうした?」
『あ…ちょっと風邪ひいちゃって…』
「大丈夫か?熱は?」
『うーん…たぶんあるんだと思うんですけど…測ってません…』
「テキトーに薬買って今から行くわ!!」
『は、はぁ!?ってか、家知らないんじゃ…』
「山崎か小宮に聞くから大丈夫!!」
そう言って電話が切れた。
ちょっと待て。
今から行くわって…
来ないでくれって電話をしたいのにそんな気力もなく携帯を放る。
とにかく寝よ…
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