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14 幸せになるまであと259日-2。
ピーンポーン
『ん?』
インターホンの音で目が覚め、なんとか体を起こして玄関に向かう。
『あったま痛ぇ…』
フラフラしながら扉を開けると西野さんが心配そうな顔をして立っていた。
『お前大丈夫か?』
『まぁ…なんとか。』
フラフラな体をなんとか引きずりながらベッドへと戻る。
『なんか食った?薬も買ってきたけど、どう?飲めそう?』
『うーん…食べたら吐くかも…』
『そうか…でも薬飲まなきゃな…ゼリーと一緒ならいけるか?ゼリーも買ってきた。』
そう言いながら西野さんが持っていた袋から薬とゼリーを取り出す。
袋のガサガサという音だけでも頭に響く。
体を起こされ口の中にゼリーと薬を放り込まれると自然と喉が動き、ゴクンと飲み込んだ。
『これでよし。』
『ありがとうございます…ってか、西野さんなんでこっちにいるんですか?しかもこんなところで油売ってていいんすか?』
『今日は朝からこっちで会議だったからな。明日土曜日で休みだし、昼から有休取って休んだ。』
『…』
『だからずっと看病してやれるよ?』
『なんでそこまで…』
『ん?恋人同士だからだろう?』
『疑似ですけどね…』
何度このツッコミを入れただろうか?
でもこのツッコミの前の「恋人同士」という
言葉を西野さんの口から聞くのが楽しみになっている自分がいて…
気付いた時には、俺はもう…
ダメだ。
これは疑似恋愛ごっこだ。
何度も自分に言い聞かせた。
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