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15 幸せになるまであと259日-3。
『体温計どこにある?』
『あ…テレビ台の引き出しの中に…』
そう言うと西野さんが立ち上がり取りに行ってくれた。
『はい。挟んで。』
言われるがまま脇に挟む。
ピピピという音が鳴り、西野さんに体温計を渡した。
『うわ!!39.5度…お前ほんと大丈夫か?病院行く?』
『病院はいいです。薬も飲ませてもらったし、寝たら治りますよ…』
『そうか…じゃぁ俺向こう行ってるな。』
と、寝室を出て行こうとする西野さん。
『どうした?』
俺はなぜか西野さんの服の裾を引っ張っていた。
『目…離されると…俺死ぬかも…』
素直じゃない自分に笑える。
一緒にいたいって言えばいいのに…
なんで?って聞かれれば「恋人同士ですから」って言って、西野さんに「疑似だけどな」って言われて…
そうすればいいのに、そうできないのはきっと…
本気で一緒にいたいからだ…
フッと笑って西野さんが服から俺の手を剥がす。
『こうしててやるよ。』
そう言いながら西野さんが俺の手を握った。
ドキドキとうるさい俺の心臓。
『どうして?』
『恋人同士だからだろう?』
『疑似ですけどね…』
そう言って笑いながら俺は眠りについた。
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