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21 幸せになるまであと237日-5。

『…野!!天野!!』 『ん…?えっ…あっ!!すみません!!』 眠いかも…なんて思っていたら本当に寝てしまっていたようだ。 『危なかったな。』 『えっ?何がですか?』 『もうちょっとで襲ってしまうところだった。』 『は、はぁ!?何言ってんすか!!俺ノーマルなんで!!風呂行ってきます!!』 慌ててベッドから飛び降り、シャワールームへと急いだ。 冗談だとわかっているのに鳴り止まない俺の心臓。 静まれ〜静まれ〜と念を込めながら頭からシャワーを浴びる。 今の俺にああいう冗談はちょっとキツイ… 正直襲われてもよかったなんて一瞬でも思ってしまった自分がムカつく。 ほんと俺どうしちゃったんだろう… 欲求不満か? ヌいてはいるが、ヤッてはいない。 それが問題なんだろうか? 風俗でも行くか? いや、俺風俗派じゃないんだよな〜。 セックスは愛がないと… そもそも風俗は浮気なのかなぁ… って、おい。 浮気って… 俺の頭の中は西野さんでいっぱいで真剣にマズイと思う…。 『おう。ちょうどよかった。』 風呂から出るとルームサービスの人が食器などを下げていた。 『なんですか?』 『まぁ座って。』 『はい。』 促されるままに椅子に座る。 テーブルの上の食器は綺麗に片付けられ、並べられる新しいグラスと食器。 まだなんか食べるのか?なんて思いながら準備されて行く様子を見る。 コンコンと部屋がノックされ、また違う人が入ってきた。 その人が押すカートにはケーキが乗っていて… 『ケーキ?』 『お前もうすぐ誕生日だろ?』 『えっ…なんでそれ…』 『山崎から聞いた。』 『あっ…そうですか…』 それ以上出る言葉がなくて俺はボーッと火が灯されていくローソクを見る。 『では、失礼します。』 準備を終えると丁寧に挨拶し、ルームサービスの人達は出て行った。 『ちょっと早いけど…誕生日おめでとう。』 『あ…ありがとうございます…』 ヤバイ。 めっちゃ嬉しい。 なんだこれ… とてつもない嬉しさに涙が出そうになる。 『5月5日の子供の日が誕生日なんてやっぱガキだな。』 そう言いながら西野さんが笑っている。 『どうせ俺はガキですよ。』 今の俺には精一杯なその言葉を返して緩む涙腺に耐えろと心の中で叫ぶ。 『ローソク消して。』 促されるままにローソクを吹き消し、用意されたシャンパンで乾杯をしてケーキを切り分けた。

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