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第2話

そう言った先生の手には、黒光りするような鞭が握られていた。夕焼けに照らされて余計綺麗だった。 「大丈夫か?隼人。」 「はぁ、はぁ。早くほしいっ。」 「お望みなら。」バシンッ 「痛いっ。ふぁっ。あっ、痛いはずなのに気持ちいいっ。もっと叩いて。」 「叩いてくださいだろ?」 バシンッ ビクビクしてしまっていた。気持ちよすぎて。「大丈夫か?ごめんついやり過ぎてしまった。」 「先生気持ちよくて失神というかイッちゃったかもしれない。」 そう先生に叩かれると、全身に快感が行き渡って気持ちよくて。でも、俺はただ先生に抜いてもらっただけで、愛情なんてないんだろうなと思うと悲しくなる。抜いてもらうだけじゃなくてそれ以上を望んでしまって俺は恋してしまったのかな。このドSで変態な教師に。 こんな事で好きになるなんて可笑しいかもしれないけど胸がドキドキしてしまって辛い。 感じたことのない気持ちで溢れそうになって、よくわからない感情があたまのなかに駆け巡る。 「本当にごめんな。」 「いいえ。別に大丈夫です。」 教師の立場でこんなことするなんて俺は最悪だ。抜くだけじゃなくて鞭で叩いてしまった。 課外授業なんかで自分の欲を晴らしているダメな大人だ。教師でも、大人にも成りきれていない。自分の気持ちに蓋をしてもなにも変わらないはずなのにどうしてなんだろう。深く深く堕ちていく感情に溢れて何かしてしまいそうで怖くて。でもどうしても気になってしまったからそれは変えられない。だって好きになった時点で分かっていた。教師と生徒なんて無理なんだって、報われない恋だと知っていたのに。絶対後悔するってわかっていたのに。

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