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第30話 変化(拓真)

この間のサークルの飲み会から、俺は、変だ。 前から、何となく瞳で、アイツを追っていた事は、認めよう、たぶん、男にしては、可愛い感じだからだ、ただそれだけだったと思う。 あの時、アイツは、女を抱くより、男から抱かれた方が似合うと思ってから、俺は、自分でも訳わからない気持ちでいる、変なのだ。 その事を考えるのも、アイツを瞳で追ったり、アイツが誰かに触られてるのを見るのもイヤだったから、俺は、少しアイツと距離を置くようにしたら、自然と女が寄ってきたので、また、女を取っ替え引っ換えした。 取っ替え引っ換えしても、全員とセックスするわけじゃない。適当に、時間潰しで、話しに付き合ったり、買い物に付き合ったりもする。それだけの時もあるし、気がのれば、セックスもするが、ある程度のレベルじゃないとやる気は、起きない。あくまで、女は、時間潰しか性欲処理の相手だ。 今日の相手は、合コンで、お持ち帰りした女だ。 いつもの様に、適当に胸触って、下の口もおざなりに濡れてるか確認する程度には、触って、ゴム付けて、挿れて腰を振ってイケば終わりっていうのが、俺のセックスだ。自分が気持ち良くイケればいい、自分勝手なセックスだ。 女は、どうせ、俺の顔だけが目当てで、俺とセックス出来て喜ぶか、連れて歩いて優越感を感じてるだけだし。 だから、俺は、いつも、本気には、慣れない。心では、冷めているが、表には、出さない。 この間から、セックスにも変化が起きて、戸惑っている。 いつも通りの作業をして、イク瞬間に、アイツの顔が浮かぶようになった。少し距離を置きたくって、女を取っ替え引っ換えしてるのに、マジ、まずい。 最近では、開き直って、女の喘ぎ声が気になり手で押さえている。アイツは、どんな声で、どんな顔でするんだろうとセックス最中にも考える。そんな事を考えてると、俺のモノも硬さを増す。女は、誤解して喜んでいるが、結果的には、いいのかもな。 気持ちは、まだ、追いついてないが、身体は、正直だ。アイツを求めている。 でも、考えても、仕方ない。アイツも俺も男同士だ、アイツは、可愛い顔していても女を抱いているんだから。 どうにもならない。 また、俺は、女をアイツの代わりに抱く。

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