突然携帯が鳴った。ラ◯ン…日向からだ！ 『お前、帰り具合悪そうだったけど大丈夫か？』 日向…気付いてたんだ… でも、心配させたくない。 横になったまま、動かしにくい指で操作する。 『大丈夫！心配ないよ！』 『なんかあったら電話しろ。すぐ行ってやる。』 『ありがと！おやすみ。』 じゃあな！のスタンプ… 日向…本当は来て欲しい。そばにいて欲しい。 「熱出たから来て」って言えば良かったのか？ でも… そんなこと言ったら、きっと日向はすぐにやってくるだろう。 だから、言えない。 強がった自分がなんだかかわいそうになってきた。 身体が弱ると、心まで落ちてくる。 ダメだ、早く元気にならなきゃ。 自分に、そう言い聞かせて静かに目を閉じた。