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第16話
隣にいて恥ずかしくないように、必死で勉強した。
お陰で常に学年トップ10内の成績を維持している。
スポーツは元々得意だったし、苦にはならなかった。
四六時中あまりに一緒にいるせいで、「付き合ってる」とか「デキてる」とか言われたけど、日向も僕も、肯定も否定もしなかった。
日向はどう思っていたんだろう?
今の関係をどう思ってるんだろう?
仲のいい友達?それとも…
僕は何を言われても平気なんだけど。
三年の奴らに襲われた時も、必死になって探してくれて…その時はもう僕がボッコボコに倒した後だったけど…半泣きになって抱きしめてくれたっけ。
日向の家に遊びに行った時、思った通りの暖かい両親だった。
お父さんは無口だけれど、穏やかで人の良さが滲み出ている感じ。
お母さんは社交的で面倒見の良い人で、僕のことを気に入ってくれている。
あんな家で育ったら、真っ直ぐな明るい子供になるのは当たり前だよな。
もし、僕の気持ちがバレたら…
怖い。
拒絶されるくらいなら、自分の気持ちは一生言わない。
日向の隣には、ロングヘアーのスレンダーな女の子が似合うんだろうな。
『彼女できた』って紹介されたら、僕は笑顔で受け入れることができるんだろうか。
熱で気弱になっているせいか、頭の中はぐちゃぐちゃで、涙まで出てきた。
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