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第19話
瑞季!瑞季!俺!日向!開けて!!
日向だ!
壁をつたいながら、ふらつく身体を動かして玄関まで辿り着く。
やっと鍵を開けると目の前に…
「日向…どうして…」
「お前のことが心配で…早退してきた。入るぞ。」
「えっ、学校は?授業中だろ?」
「いいんだ。ほら、布団に戻れ。」
引き摺られるように連れていかれ、布団に包まれた。
何が何だかわからないまま、アイスを口に入れられ、また玄関のチャイムが鳴ったと思ったら涼香ママが両手一杯の荷物を抱えてやってきて、スープやおかゆを食べさせられて…
夕べから固形物を口にしてなかった僕は、温かいものでお腹が満たされると、日向が側にいることもあり、精神的にも落ち着いてきた。
日向が泊まってくれる…
それだけでまた熱が上がりそうなのに、日向は『世話するから甘えろ』って…
それって恋人とかに言うんじゃないの?
僕、僕って…
恥ずかしくなってくるりと壁を向いた。
しばらくして落ち着くと、僕が寝入ったと思ったのか、日向が呟いた。
「瑞季…好きだ。」
!?!?!?
えっ!?好き…好きって…えっ、うそっ!?
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