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第82話

あー、日向の『俺様スイッチ』が入っちゃった…。もう、こうなったら やりたいようにやられてしまう。 僕は思わせぶりに言ってみた。 「ねえ、日向、今日は優しくしてくれるんじゃなかったの? さっきそう言ってたよね?」 「勿論だよ。たっぷり…優しくかわいがってあげるよ。瑞季、楽しみにしてな。」 いやいや、『たっぷり』って… それはご遠慮申し上げるよ。 明日飛行機で移動できなくなったらどうするの? 僕はただ…二人で果てた後、ぎゅっと抱きしめ合って、そのまま眠りにつきたいだけ… 何か言いたげな僕に気が付いたのか、日向は 「くっくっ。お前が想像してるようなハードなことはしないよ。」 「ハードな って!そんなこと」 「わかってるって。 かわいすぎて虐めたくって堪らないよ、瑞季。 本当に…俺を信じてずっと付いてきてくれて、支えてくれてありがとう… 絶対、何があっても俺はお前と一緒にいるから。今までもこれからも。 お前が怖がってる全てのことから俺が守ってやる。子供の頃に欲しくて叶わなかったことも、俺が全て与えてやる。 だから、安心して俺に抱かれてろ。」 燃えるような、それでいて慈愛に満ちた瞳で真剣に日向が訴えてくる。 ぽろりと涙が溢れた。 その涙を舌先でそっと舐め取られ、上唇を下唇を甘噛みされる。 そのまま空いた隙間に差し込まれた舌は熱を持ち、歯列をなぞられ、背中からゾクゾクしてくる。 間違いなく、この男に愛されている… じわじわと胸の辺りに暖かいものが溢れ出してきた。

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