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第154話
僕を抱っこしたまま、下から日向がリズミカルに突き上げてくる。
「舌噛んじゃうから、これ咥えてて。」
口元に差し出されたのは目隠しの紐の端。
言われた通りに噛み付いた。
「んふっ、ふっ、んっんっ」
くぐもった声が止まらない。もう、止めようとも思わない。
時折、肩や鎖骨にぴりっとした痛みが走るのは、日向が吸い付いて赤い花を咲かせているからだろう。
肌に赤い花が咲き乱れ、ぷっくりと膨らみ切った胸の粒を捏ねたり引っ張ったり、抓られたりして、その度にあられもない声が部屋に響いている。
僕自身は、日向と自分のお腹に挟まれ刺激を受け続けとろとろと愛液を流し続けている。
あんあん啼き続けるしかできない僕をどう思って抱いているのか。
いつも『乱れろ』『全て見せろ』と言いながら、『ホントの自分』を隠してたのは日向じゃないか。
怒りにも似た訳の分からない感情が吹き上げた。
咥えた紐の端を引っ張りしゅるりと振り解いた。圧迫されていたせいか、視界がぼんやりと霞んでいる。
「…瑞季?」
日向は動きを止めた僕を不安そうに見つめ、下から突き上げるのを止めた。
僕は日向に噛み付くような荒々しいキスをすると、その唇を割って舌を捻じ込んだ。
舌と舌をねっとりと絡ませて、まるで舌だけでセックスをするかのように、根元から舐めつけ歯列をなぞり、唾液を飲んだ。
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