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第15章の20
社長は話を改ざんしても、真樹から訊きだそうとしてくれている…そして真実は…?
「そんなことありえないです! 」
真樹の悲痛な叫びに、もう諒はどうしていいのかわからなくなった。
でも、ここはおとなしくしていなければ…
「雑誌からも問い合わせてきた。そっちは数年前からお金を渡し続けてるって話で…」
「え? じゃあ他からも話が…? 」
「ああ。諒も昨日飲んだ大先輩の一行に聞いたって。
若いのに諒も真樹も子育てしててえらいって親近感持たれたって…」
「…社長、ちょっと待って下さいよ…」
「父親から一文字もらって名前はマミちゃんとか、5歳になる女の子とか…
俺も須藤くんも信じられないけどな…」
三人の重い沈黙が諒にも伝わってくる。
万が一を想定して、覚悟を決めると、諒は気分が悪くなってきた…
すると真樹の落ち着いた声が聞こえてきた。
「結論からいって、それは嘘だと思います。
社長も須藤さんもそうでしょうけど、兄貴も俺も大人の男なんだから、
女性と何かないわけなくて、もしかすると、
その中の女性が子どもを産んでるかもしれない。
でも、俺はどんな女性にもそのことを言われたことはないんです…」
(…って、麻也さん、最近も女性と何かあったの? )
諒の胸はますます痛くなる…
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