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第15章の21

「兄貴もそうだと思います。諒と付き合い始めてからは諒だけだし、 万が一、諒と出会う前の話だったら、親父が勘当中でも兄貴を実家に呼びつけてると思うんです。 親戚や近所にも秘密だろうから、俺がグチを言われたと思うけど、 そんなこともなかったし。 それにオフクロは死んだ姉にずっとこだわってるから、 女の子なら諒のご両親みたいに引き取りたがったかもしれないし…」 そこまで一気に語り終えた真樹の言葉に、諒は胸を撫で下ろし、 社長たちのほっとした空気も伝わってきたが、真樹はなおも、 「…今、父に電話してみます。年末だから会議とかもないと思うんで。」 「いや、いいよ、真樹、そこまでは。今となってはお父さんに心配かけるのも…」 「いえ、大丈夫です。父もこんな息子二人もお世話になってるので、覚悟はあると思うので。」 「覚悟って…」 社長が絶句していると、携帯がつながったらしい。

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