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第15章の22

「…もしもし、父さん? 真樹だけど。今話しても大丈夫? あのさあ…」 続く真樹の声から、真樹の父の困惑ぶりが伝わってくる…と、しばらく話して真樹が、 「父も、やっぱり、そういう事実はありません、と。 何なら調べてくださっても結構ですって… 社長、電話を替わってもらってもいいですか? 」 「ええーっ!! 」 ビビりながら、社長が電話に出る気配… 「…いえ、本当にこちらこそ申し訳ありません。 ええ、真樹くんから直接真実が聞けましたので、雑誌社にも安心して反論ができます… え? こちらに? いえいえご足労には及びません…」  冷や汗をかきながら社長が電話を切る気配がすると、すぐに真樹が心配そうに、 「社長、親父が言ってた、興信所とか、探偵とかやっぱり使うんですか? 」 すると社長はきっぱりと、 「使わない。遠藤家の証言以上に確かな証拠はないと思うから。」

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