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第12章の80
すると須藤が、
「まあでもその雑誌の、毎月のボーイフレンド役の読者モデルは、
スナイカーズの冬弥くんですからね。言ってみれば、
麻也さんの息のかかった人たちばかりでもあるわけで…」
「麻也さんはベビーシッターじゃないっつーの。」
吐き出すように諒が言い、麻也は困ってうつむく。
そこで、何とか雰囲気を良くしようと思ったらしい須藤は、
「じゃあ、これでも読んで、機嫌を直してくださいよ。」
と、4人それぞれに、開封チェック済みのファンレターの山を渡してきた。
「上の方は、今回のシングルやプロモーションビデオや、
使われてる番組に関してですよ。」
「えっ、もう? みんな情報が早いねえ。」
直人は喜んだが、真樹は、
「兄貴の超過労働が実ったんだね。ありがとう、兄貴…」
と、直人と二人で手を合わせてくる。
珍しく、気のない様子でファンレターの山を眺めていた諒は、
「でもまだまだ、俺たちツアーまではツアーまでは作業があるわけでしょう?
麻也さんも、3件の出稼ぎのうち、2件があっちの都合でダラダラしてるわけでしょう?
大変だよね。」
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