「お兄ちゃん？　」 諒が怪訝そうな顔をする。そして、 「あれ、お兄ちゃんのためなら抱かれますって意味かよ！」 真樹は眉をひそめ、 「諒、うるさい！デビューの口添えと引き換えに、 お前をおにいさま図鑑に載っけてくれるって話だったんだろ。 それに＜抱かれる＞まで書いてなかったんだろ。」 そうだったのか…と、諒は困ったようにうつむく。 しかしすぐに、 「でもさ、そんなのもういいよ。 俺、もうその希亜良だかコアラだかと共演したくねーもん。」 すると直人がどうでもよさそうに、 「でも、その頃には、そのコアラちゃんじゃなくて、 鈴音ちゃんがそのコーナーをやってるかもって話だよ。」 「なるほどね。でも俺、それもういいわ。」 「だよね。」