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第12章の78

 ランチ休憩になったが、弁当が配られる間の雑談は、麻也は聞き流していた。 なぜならば、この後の久しぶりの自主練で思う存分ギターを弾き倒す…とまではいかないが、 ギターに触れられることにほっとしていて、そのことしか頭になかったのだ。 しかし… 「諒さん、そろそろ例のカバー曲も手掛けてもらわないと。」 という須藤の声で、また話の輪に入った。 「くーっ、忙しいなあ…」 と、諒が頭を抱え込むのに、麻也は、 「こうやって、諒もビッグになっていくんだね…」 と、心から笑顔で言って…困った空気になっていくのを感じた… ここにいる誰もが思い出してしまうのは、例の引き抜き事件… そして、麻也と諒の大ゲンカ…  みんなが黙ってしまったが、真樹は、 「で、兄貴、あの希亜良ちゃんのお兄ちゃんのデビューの件、どうすんのよ? 」

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