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第12章の77

 …久しぶりに仕事に戻ると、いいニュースが…  冒頭のスケジュール会議で、麻也と諒が休業のお詫びをした後、 この日から、現場マネージャーに、真樹の担当に服部が、 そして、直人の担当に、別のバンドのサブマネージャーだった伊豆がやってきた。 その紹介が終わると、リズム隊の2人から、明るい報告が… 「俺たち、ラジオ特番をいただきました。すっごく面白かったって言われて。」 「笑えたって言われて。兄貴、いずれはバンド全員でレギュラー番組決まりそうだよ。」 「ええーっ!! 」 「すごいじゃん! 」 この時の、諒のものすごく嬉しそうな顔が、妙に麻也の脳裏に焼き付いた…  まずは、すっかり狂ってしまったスケジュールの確認から。 「…レコーディング終わりはクリスマスイブかよ…」 真樹がぼやけば、直人が、 「それも、25日午前5時とかだと思うよ…」 申し訳ありません、と平身低頭の麻也と諒だったが、 「あ、そうだ、じゃあ俺が全曲、高速回転で歌って差し上げるよ。」 「ハイハイ、諒、いい考えだね。」 「お前と兄貴はいつでもプレイまでできていいけどさ…」 「真樹~、俺、腐ってもお前の兄なんだけど…」

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