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第13章の34
いちおう形にはまとめたが…
「もう一度お願いしまーす…」
諒は自分の方から声をあげた…
麻也の顔は見ず、考えずに歌うのだが…
3テイク目が終わったところで、プロデューサーである麻也がストップをかけた。
「諒、疲れてるみたい。ちょっと休もうか? 」
ちらっと麻也を見て、諒はためらう。
「いや、もう一回…」
あの変な話に負けたくなくて、諒はもう一度マイクに向かったが…
2人とも不本意な結果になった。
「諒、こっち来て。気分転換に休もう。」
休んだところで仕方がないとわかっているのに…と思いながらも、
麻也の提案を断れず、諒はブースを出て、麻也の後ろの黒の革張りのソファに腰かけた。
鈴木が差し出してくれたホットのミルクティーを一口飲んだところで、
椅子をくるっと回して、麻也が振り返った。
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