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第13章の36

「せっかくだけど、俺、そういうのは合わないの。図体デカいから。」 と、諒はやんわりと断ったが、須藤は、 「それは大丈夫です。諒さんのためにもスウェーデン製の大きいサイズにしましたので。 がっちりしてて重めなので、広げたりしまったりは男性じゃないと厳しいみたいですよ。」 でも、それを導入してしまったら…社長もこんな時に余計なことを… と、諒は必死で阻止しようとした。 「それにしても、どうして簡易ベッドなの?  社長はダブルベッドをやめろとでも? 」 家庭内別居、という言葉は使えなかった。本当になってしまいそうで… しかし、須藤もひるまず、 「いやいや、ダブルベッドが使えていないようだから心配してるんです。 お二人が元気ないのは、ハードスケジュールもあるけれど、 すれ違い生活で、安眠ができてないんじゃないかって、 社長も私たちも心配で…」 確かに麻也の忙しさはすさまじく、諒も忙しいので、 まるでF1のピットインか何かのようだと諒も思うことがある。 すると、同じように表情を曇らせていた麻也が、思い切ったように、 「じゃあ諒、お言葉に甘えよっか? 」

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