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第13章の74
友美は最後には「違うジャンルの者同士、飲み会でも」とは言ったが、
最初は彼氏持ちと言っていて、中盤で連絡先を意味ありげに渡してきたのだという。
直人はようやく顔を上げ、
「うーん、でもそれは真樹の魅力が悪いっていうヤツじゃない? 」
「うーん、そうかな? 商売柄ってヤツ? 」
諒も直人の言う通りだと思う。
どうしても自分たちのような商売は人の視線やカメラに磨かれていくから、
若い子には、一般人の彼より素敵かも…とフラフラ寄ってこられがちだ。
それに、ふだんは王子だ天使だとほめあげられる兄に隠れがちだが、
真樹自身はプラチナブロンドがよく似合う、美形の象徴のアーモンドアイを持つ端正な顔立ちでもある。
「諒の美咲ちゃんは何だかずいぶん積極的な感じがしたけど、大丈夫? 」
真樹の方から尋ねられて、諒はほっとした。
これでそのままを話して、何かの時には証人になってもらおうと思った。
「ヤバかったよ。彼氏持ちじゃないから、積極的で…
酔ったふりして腕掴んできたり、俺には麻也さんがいるからって言っても連絡先を渡してくるし…」
それを聞いて、直人はがっくりと肩を落とした。
「何だ…2人はOKだったのか…志帆ちゃんだけ、なんで…」
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