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第13章の91

さらに直人は、 「ほら、諒が言ってた、お前にセマりたがっていた三田さんの同窓生いたじゃない?  その男の作品。」 「はあ? 」 三田のアトリエに鈴木が衣装を返しに行った時に、 三田がその男から預かった封筒を、 「麻也さんへ」と渡してくれたのだという。 それで麻也がここで受け取り、開けてみたところ、 写りの悪い麻也の写真に続いて、 ナンパ男三人組の写真が一枚づつ出てきたのだという。 「何それ… 」 「諒のが一番写りが良くてヤバかったぞ。 笑顔で美咲ちゃんの手握って…」 「まさかそんなこと…あーっ!!」 「声デカいって! 」 「でも、あの時は仕方がなかったの!  邪険にもできないでしょ。 何よりそいつ、何者? 」 「アート系の、腕の悪いライターだって。 三田さんが俺らの担当になった途端、 初めて同窓会で声をかけてきたんだって。」  そこで、諒はシャツの袖を引っ張られた。  真樹だった。

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