742 / 1053
第13章の91
さらに直人は、
「ほら、諒が言ってた、お前にセマりたがっていた三田さんの同窓生いたじゃない?
その男の作品。」
「はあ? 」
三田のアトリエに鈴木が衣装を返しに行った時に、
三田がその男から預かった封筒を、
「麻也さんへ」と渡してくれたのだという。
それで麻也がここで受け取り、開けてみたところ、
写りの悪い麻也の写真に続いて、
ナンパ男三人組の写真が一枚づつ出てきたのだという。
「何それ… 」
「諒のが一番写りが良くてヤバかったぞ。
笑顔で美咲ちゃんの手握って…」
「まさかそんなこと…あーっ!!」
「声デカいって! 」
「でも、あの時は仕方がなかったの!
邪険にもできないでしょ。
何よりそいつ、何者? 」
「アート系の、腕の悪いライターだって。
三田さんが俺らの担当になった途端、
初めて同窓会で声をかけてきたんだって。」
そこで、諒はシャツの袖を引っ張られた。
真樹だった。
ともだちにシェアしよう!