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第8話

「ロシェ、太ももをかしてくれないか」 「嫌だと言いたいところだが……、それじゃ辛いよな」  同じ男としてそれだけは解る。だから自ら足を開いてファブリスのモノを挟み込んだ。  生暖かく、そしてかたい感触だ。 「え、あ」  素直にかしてもらえるとは思っていなかったのか、少し躊躇うような感じであった。 「ファブリス、動けよ」  挟んだままで何もしない獣人に、振り向いて目を細めて見る。 「良いのか?」  太ももに尻尾がかすかに触れ、見れば勢いよく振られていて、そんなに嬉しいのかと、喜びが自分にまで伝染したかのように頬が熱くなる。 「さっさとやれよ」  と照れを隠すように、強く挟んでやった。刺激されて感じたか、尻尾が膨らんだ。 「くっ、それならば、遠慮なく」  放ったばかりのロシェのモノは濡れていて、ぬちゃぬちゃと厭らしい水音をたてながらこすれ合う。 「んぁ、あつい」 「あぁ、熱いな。それに厭らしい音だ」 「ばか、あ、あぁ」  ロシェのモノは元気をとりもどし、気持ちよくて腰が揺れる。今度は共に欲を放った。 「はぁ……、ありがとう」  耳元で囁かれ、その声がやたら甘く聞こえてゾクッとくる。 「息が吹きかかってくすぐったいんだよ」  頬が熱いのを誤魔化すようにそう言い耳を押さえる。 「そうか、それはすまない」  口元を緩めながら尻尾を揺らす。なんだかムカつくと、先ほどは出来なかった、腹に二発食らわせる。 「なんだ、ロシェの可愛さに、ニャついてはいけないのか?」 「うるせぇ、さっき殴れなかったからなっ。ていうか可愛いっていうな」  殴った箇所を撫でながら、さらに顔をでれっとさせる。 「わかった。では、今度は最後まで交尾をさせてくれ」 「嫌だって。お前のなんか入らねぇよ」  ここは入れる所じゃなくて出すところだ。それは獣人も同じだろう。 「そうか? 人の子の孔は小さいのか?」  と腰を持ち上げられて間近で見る。 「てめっ、見んじゃねぇよ」 「うむ、獣人と対して変わらぬように見えるが」 「ここに突っ込むには指でならさねぇとだし、無理したら裂けるだろ」 「そういうものなのか?」  チロっと舌先が後孔を舐める。 「ひぃっ、そんな所、舐めんな」 「我らは中へと入れる前、入れる方が舐める。濡れていた方がスムーズに入るからな」 「汚い」 「あぁ、そういうことか。愛おしい者に対してそんな事を思った事がない」 「ん、ファブリス、いい加減に、しろ」  尻を揉む手を払いのけられ、ならばと、股の間に顔を突っ込んで毛を舐めた。 「ずっと触りたいと思っていたが、ここはお前の髪よりも太くて縮れているな」 「この、バカ野郎が。そういう事は口にするな!」  足で頬を蹴られて、ベッドに顔を埋める。 「お前もドニ並みに変態だ」 「確かにそうだな。ロシェの事を知りたいと思う気持ちは、ドニが獣人を知りたい気持ちと同じか」 「もうヤダ。付き合ってらんねぇ」  布団をかぶり亀の子状態になってしまうロシェに、布団の上からぽんと手で叩く。 「ふぅ。お休み、ロシェ」  まだ物足りないし抱きたいが、もう、触れ合う事を許してはくれないだろう。  服を身に着けると部屋を出る。気持ちを鎮める方法は解っている。  途中で自分の部屋に寄り、剣を手にすると庭へと向かった。

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