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第9話
「………」
これは一体どういうことだろうか
いつも傍らにいるはずの凛がいない
それも結界内に気配を感じないのだ
「外に、微かに鬼の匂いを感じた
天理まさか……」
シグの鬼と言う言葉にピクリと反応した天理は
静かに怒りを爆発させていた
そしてすぐさま何処かへと向かう
「おい天理何処に……」
「決まっている
鬼退治だ」
今までに見たこともないような怒りを見せる天理に
シグは畏怖し動けなくなった
その頃凛は布団に横たわり眠っていた
ようやく目を覚まし辺りを見渡すといつもと違う事に気が付く
「目が覚めたか」
「____‼」
知らない声のする方を見ると美しい男が縁側で酒を飲んでいた
人の姿をしているが額の角が人ではないことを示しており
凛は警戒の眼差しを向ける
「誰?」
「俺は鬼、紅牙
天狗を誘き寄せる為結界内に鳥に玉を落とさせたのを
よく拾ってくれた
お陰で容易に結界の外に呼ぶことができた」
「………っ‼」
「さて、それまで暇つぶしに遊ぶか」
そう言うと紅牙は凛の上に覆いかぶさった
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