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第8話
その日の深夜、皆が寝静まった頃に何やら唄が聞こえてきた
♪『通りゃんせ 通りゃんせ
ここは冥府の細道じゃ 鬼神様の細道じゃ
ちっと通して下しゃんせ 贄のないもの通しゃせぬ
この子の七つの弔いに 供養を頼みに参ります
生きはよいよい 還りはこわい
こわいながらも 通りゃんせ 通りゃんせ』
その唄で目が覚めた凛
すると昼間に拾った玉が光っているに気が付いた
不思議に見ていると再び先ほどの唄が聞こえ
凛の瞳 の光が失われその玉に導かれるように外へと歩き出す
そしてそのまま天理の張った結界の外へと足を進めて行った
♪ ここは冥府の細道じゃ 鬼神様の細道じゃ~
生きはよいよい
「還りはこわい……」
凛がやってきた先には肩まで伸びた漆黒の髪と紅く光った瞳
そして額には二つの角が印象的な美しい男がいる
「あの天狗がこんなものを囲っていたとは………
さて、あの男を壊すのにこれはどれほど有効だろうか?」
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