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第7話

世の中どうにもならない事だってある 人と妖と言う大きな差は埋められずとも あの二人は今や互いに無くてはならない存在となっている 天理が凛を手放す気が無いのはよく分かった でも、少しくらい触れたって構わないだろう? 「凛」 「あ、シグ」 あの時喰らうはずだった人の子がこうして綺麗な顔で 笑みを見せている 人懐っこく幼いころから察しが良く聞き分けのいい子 だからこそつい甘やかしてしまう 「ねぇ見て、綺麗な玉拾ったんだけどなんだろう」 凛の手には小さな翡翠色の玉がある 「さぁ?ただのビー玉だろ 鳥が運んで来て落としたんじゃねぇか?」 「そうだね、でも綺麗だからとっとこ」 光物に興味を持った鳥が咥えてここに落としたのだろうと 凛はシグの言葉に納得して玉を和服の懐に仕舞った 「それよりほれ、美味そうな鹿肉取って来たぞ」 既に死んだ鹿を片手で持ち上げどうだと自慢するシグに 凛は凄いねと拍手する 「じゃあ今日は鍋がいいかな?」 「いや、生で食べたい」 「………それは遠慮するよ」 結局凛の提案の鍋で美味しく頂いた

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