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第6話
目が覚めた凛は朝日の眩しさに目を擦りながら起きると
横に天理が居るのに気付いて安堵する
「おはよう、凛」
「おは…よ…う……?」
けれど凛は天理に違和感を感じた
天理の表情はいつもと変わらないが何かが違う
「天理…何かあった?」
その質問に表情を一切崩さない天理だったが
内心少し動揺していた
「お前には隠し事など無意味だな」
そう言うと凛の背に手を回しギュッと抱き締めた
凛を抱き締める腕は強く、彼が壊れてしまいそうなほどに
「…天理?」
「すまない…本当ならお前は人の世へ帰すべきだったなのだろうが
……今からでも帰りたいと思うか?」
その言葉に凛は笑ってこう答えた
「今更帰る場所なんてないよ
それに僕がここにいると望んだのだから
ずっと…ずっと天理の傍にいる」
そして凛も天理を力いっぱい抱き締めた
ずっと……か……
凛にとってはずっとなのだろう
けれど天理にとっては一瞬のことなのだ
これが人と妖との差
決して交われない存在なのだ_____
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