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第1話

[皆今日は僕のライブに来てくれてありがとう!] [キャァァー!!!] 観客の声で曲がスタートする。 俺はただそれを黙々と鑑賞。どうしてって? さぁ、?お客さんがのぞんだから。 けど……ごめん。 画面に映るアイドル少年、それは紛れもなく俺なのです。 客「この子はね、五十嵐 トアくんって言って、楓雪君とそっくりだよね、掲示板で君を見た時はもう彼かと思ったよ、でもよく考えたら年が違うね。トア君は高校一年生、楓雪くんは大学生だから」 ハァ、ハァと呼吸を荒くさせ得意げに五十嵐 トア(芸名)の俺と、何故か楓雪(本名)の俺までも語るコイツ。いや、こいつと俺初対面だし。 まぁトアの方はそりゃアイドルですから、仕方の無いことなんだろうけどな? てか、いつまで見るんだよ……ここ2時間くらい見てるぞ。そろそろ飽きるわ、つか、自分の姿見ても面白くねぇ、ただ、うわー猫被ってんな俺、とは思う。 つか、くせぇ息が近づいてるのは気のせいか? 『うわっ、び、びっくりした。どうした?』 「むふふ、やっぱりトアくんとは違うね、口調も、でも。荒々しい口調も僕は好きだよォ」 『ほんとに?ふは、さんきゅー』 ・ ・ ・ 『だぁぁ、もう……結局今日出来なかったじゃねぇーかぁっ』 自分のベッドにボフッ、と音を立てながら倒れ込み枕に顔を埋め叫ぶ。 どうせ一人暮らしだし叫んでも聞こえねぇだろ どーも、表では五十嵐 トア。現役高校生設定でアイドルやって、裏では素のまま尾田 楓雪(おだ ふゆき)で風俗的なことをしていますどーもヨロシク。 どーしてんなことしてんのかって?ンなのかんけぇねぇだろ俺の勝手だ、以上。 『……最近撮影忙しかったから、久々にできっと思ってたのに…あぁ、あーゆう客嫌い』 ボソボソと愚痴を吐く。返してくれる人はいねぇんだけどな?一人暮らしだし(2回目) シャララララン♪ シャララララン♪ 携帯の電話が鳴り見てみるとどうやらマネージャーからのメールのよう。 〝楓雪くん、君明日は撮影だって覚えてるよね?朝の8:00から。 CDの収録もあるの。 忘れてましたぁ、とかで遅れたりするのはダメだからね、もう送ったしどうせ起きてるでしょ、明日、19:00に君の家の近くのコンビニにいつも通り迎えに行きます、いいですか?くれぐれも遅れないように!!〟 うわー、起きてんのバレてんじゃん。 『つか、おかんかよ……』 言いや、寝よ。遅れたらマネージャーうっさいし。 電気を消して布団に潜り込む。風呂?入ったし、客の家で← 『おやすみ……』

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