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ずっと見てた
俺は亜輝斗が横に来ると知って上機嫌で城之内の所へ戻った。さっさと席に着いて、皆がクジを引き終わり机を移動させるのを待っていた。
「なぁ、城之内、離れちゃうな…。亜輝斗が7番だったんだけど、勉強教えてくれるかなぁ。はぁ…あいつ居眠りばっかでさ。」
「また分からない事あれば俺に聞いてもいいからね?」
そんな俺にまた優しい声を掛けてくれる。城之内は苦手な女子にはいつも素っ気ないが、男の俺には優しい!俺は男子で良かったぁ〜♪
「ありがとう!今度は俺ん家で勉強会でも開こうな!…あ、そろそろ席移動みたいだ。また後でね。」
「あぁ、また。」
なんか…ちょっと寂しそうに笑ってた様な?…気のせいだろ。よし、席替え席替えっと。
「よっしゃー!あぁー。まじで安心。亜輝斗ん側、しっくり。なぁ、寝ないで先生の話聞いてくれ!そしてわかりやすく俺に教えてくれ〜!」
欠伸をする亜輝斗を俺は必死に揺さぶって「なぁ!?なぁ!?」と必死に授業受けろと頼み込む。
「え、やだよぉ〜何で教えないといけねぇの!俺の睡眠を奪うのか!?」
「え、何言ってんの?授業は部活前に睡眠を取る時間じゃねぇし!お願い!俺は先生の話を理解できない!お経をブツブツ言ってるようにしか聞こえないんだぁ!お願いっ!解説してぇー(泣)」
こいつに、中学ん時とか高校1年の始めらへんまでは教えてもらってたけど、こいつも教え方がうまい!その時まではまぁまぁな成績だったのに…こいつが部活に打ち込んでから、授業中の居眠りが目立つようになり、俺は成績が下がっている。だけど亜輝斗は…
「えぇー。……あ、そうだ!城之内に聞いてくれっ♪」
そう言ってホームルームが終わったからと、ササッと部活をやりに行ってしまった。
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