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第7話

先輩にシュウちゃんの居所を言わなかったせいか僕はお迎え業務から外されてしまった。 先輩はひどい……僕、ちゃんと出来るのに……。 今日なんて、天国と地獄の入口の掃除を言われた。 酷い……先輩のバカ!!! 「おい!えーと、ヒナだっけ?ヒヨコだっけ?」 後ろから声がした。 振り向くとそこにシュウちゃんが居た。 へっ?何で?何でシュウちゃんが……?ここは死なないとこれないのに。まさか、あの後自殺しちゃったの? 嘘でしょ? 「シュウちゃん、何でいるの!!」 僕は彼の元へ走り寄る。 「シュウちゃん?何だよその呼び方」 「蹴ってシュウって読むでしょ?先輩に教わったんだあ」 「あ、なるほど……」 納得したシュウちゃん。あ、いや、納得されてる場合じゃない! 「なんで?何でここにいるの?自殺しちゃったの?」 「は?自殺?ううん、違うけど?」 「じゃあ、なんで?事故?」 「病気だよ……自殺しようとした前の日にね、俺、癌だって知ったんだ……どうせ死ぬんだから死んでやる!って思った時にお前が来たんだよ……で、死ぬのも馬鹿らしくなってさ、じゃあ、生きれるとこまで生きてやろうって……でも若い分、癌の進行が早くて半年で死んじゃったけどね」 癌……だったの?シュウちゃん。なのに……あの時僕に凄く優しくしてくれて……やっぱりシュウちゃんは優しい。 「おわ!何泣いてんだあ!!」 シュウちゃんは慌てている。 「泣くなって……ほら、チュウするぞ?」 シュウちゃんの顔が近付いてきた。 キス……される寸前で「いい度胸だなお前」と先輩の声がした。 「先輩!!どーしたんですか?仕事中じゃ?」 先輩が仁王立ちで僕達を見ている。 「えっ?先輩?ヒナがいつも言う?」 シュウちゃんは先輩をめっちゃ見ている。上から下まで。 「先輩カッコイイでしょ?」 僕がいうとシュウちゃんは素直に頷く。 「で、でも、俺は負けないから!死神ってどうやったらなれるんだよ?」 「えっ?シュウちゃん死神になりたいの?」 「うん、ヒナと友達になりたいし」 「わあ!!嬉しい!!先輩聞きました?死神希望者です!足りないって言ってたでしょ?」 嬉しくて先輩を見ると「まず、お前……裁きが先だろ?来たばかりなんだから」とシュウちゃんを睨んでいる。 「閻魔大王の裁判?」 「気安く呼ぶなよお前」 先輩がシュウちゃんを睨む。 「あ!閻魔大王!やっとみつけた!もう、スグそうやってヒヨコを構って」 先輩の部下が走ってきた。 「閻魔大王?」 シュウちゃんが僕をみる。 「うん、先輩は閻魔大王ですよ?」 「は?」 シュウちゃんの顔が青ざめた。 「俺のライバルって閻魔大王なのか?えー!!最強のスパダリじゃんかあ!!!」 いきなりシュウちゃんがシャウトした。 何を言っているのだろう?スパダリとか? でも、仲間が増えるの嬉しいなあ!! あ、僕が先輩になるのか?えへへ、楽しみだなあ。 今日も僕は元気ですよ!

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