1 / 87
第1話
🐇
高校生活が始まったその日、僕の隣の席に座ったのは、芸能人みたいに垢ぬけたイケメンだった。
すらりとした八頭身の長躯。長い手足。
冷たささえ感じさせるほどの端整な顔立ち。
サラリと揺れるやや明るめの髪。
思わずポカンと口を開けて見惚れてしまっている僕に、その超イケメンは開口一番に言った。
「おまえって、うさぎに似てるな」
「……えっ?」
僕はポカンとまぬけな顔をしたまま、まぬけな声を出した。
「ほら、ペットショップにいる小っちゃいうさぎ……、ミニうさぎって言うの? あれの白いのによく似てる」
「はあ……」
相変わらずポカンとしながら、僕は固まってしまった。
だって、どういう反応をすればいいというのだ……?
🐇
ともだちにシェアしよう!