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第11話

 でも、どれだけ好きになってもかなわない恋。  だいたい普通の男女の恋愛だって、叶うかどうかは神様と恋のキューピッドが知るのみ。  ましてや同性同士の恋愛なんて、絶望的に近いのではないかと思ってしまう。  日本の、友悟の世代の中に同性愛者というのはどれくらいいるのか、想像することさえできないけれども。  でも、秋斗がノーマルなのは確かだ。  友悟は、秋斗と同じ中学出身の生徒が話しているのを、チラッと耳にしたことがあるのだ。  ……秋斗は中学生の頃、少なくとも二人の女の子と付き合ったと。  それがどんな女性たちだったのか、年下か同級生か年上か、どれくらいのあいだ付き合っていたのか……、知りたいようで、でもやっぱり知りたくはなくて。  はっきりしたことは分からないし、もちろん、秋斗本人に聞くことなんて、とてもじゃないができない。  高校に入ってからは、特定の彼女という存在はいないみたいだけれども、いつだって女の子にモテモテだし、街を歩いていてもいっつも女性に振り返られている。 ほんと、今は誰とも付き合っていないことだけが救いかも……。 友悟はいったんそう思いかけたが、すぐにその考えを打ち消す。

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