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第84話

「好きだ……友悟……。好きだよ……」  糸を引く淫らなキスのあと、秋斗は熱っぽく囁きながら、自分の右手の中指を友悟にしゃぶらせた。  唾液で濡れた彼の中指は、そろそろと友悟の双丘のあいだに滑り込み、奥深くに隠された部分へとたどり着く。  そして、グッと中へ挿入された。 「いっ……」  初めて経験する痛みに、友悟の体がギュッと強張る。 「友悟……、力抜いて。ほら、深呼吸して……」  とにかく痛みから逃れたくて、耳元で囁かれる通りに、友悟は努めてゆっくりと呼吸することを繰り返した。 「……まだ、痛い?」  秋斗の問いかけに小さくかぶりを振る。 「で、でも……、なんか、すごい異物感が……」  深呼吸を繰り返すうちに痛みは軽減していった。  だが、体内の奥深いところに秋斗の指という異物が侵入している感じがとても大きくて、苦しい。 「……じゃ、こうしたら?」  彼が言ったかと思うと、指で中を思い切りかき回した。 「あっ……っ……」  そして秋斗の指が、ある部分をえぐるように擦り上げた瞬間、痛みの余韻も異物感もすべてが消え去り、それに取って代わって激しい快感が友悟の全身を走り抜けた。 「あっ、あっ……やっ……」  体の内側から込み上げてくる気持ちよさは、生まれて初めて知る類のものだった。  その気も狂わんばかりの快感は、秋斗が指を二本に増やし、抜き差しをすることでどんどん増していく。  激しすぎる快感が怖かった。 「やだ……やだ……っ……、秋斗、も、やめ……っ……あっ……」  友悟はまた高みへと昇りつめてしまった。

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