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第85話

 秋斗がやさしく苦笑する。 「友悟、すごく感じやすいんだな……指だけでイッちゃって……」 「……っ……」  彼に言われて、友悟はそれこそ穴があったら入りたいと思った。  布団の中へ隠れてしまうことも叶わず、せめて秋斗の視線から逃れようと両腕で顔を隠した。 「だめだよ、友悟……。かわいい顔、見せてくれなきゃ……」  うれしそうな秋斗の声音に、友悟はちょっぴりくやしくなる。 「ずるいよ……秋斗」 「え?」 「だって、なんか秋斗は余裕って感じで、僕ばっかり……」  友悟の小さな抗議に秋斗は、 「そんなことないよ……、オレだってもう限界……」  甘く掠れた声でそう応えた。  秋斗は友悟の脚を大きく広げると、自分の体をそのあいだに滑り込ませた。  そして、さっきまで散々指で愛された場所へ熱く固いものが押し当てられる。  それは、指なんかとは比べ物にならないくらい、大きくて……。友悟の心に少しの恐怖心を芽生えさせる。 「やっ、やだ、秋斗。こ、こんなの、無理っ……」  掠れた声で叫び、逃れようと体をひねるが、秋斗はやめてくれない。  脚を抱えあげられてしまった。 「友悟……愛してるよ……」  卑猥な音を立てて友悟のそこが広げられ、秋斗の雄が入ってきた。  狭い場所を強引に広げて、徐々に侵入してくる秋斗。  その行為は絶頂の余韻さえ吹き飛んでしまうほど痛かった。  秋斗を欲しがる心とは裏腹に、体はそれを拒絶してしまう。 「いた……痛い……秋斗……」 「……きつっ……。友悟……少し、ゆるめて……?」  秋斗が荒い吐息交じりに囁く。 「そんなのっ……できな、い……」  涙がポロポロと友悟の頬を伝う。 「大丈夫……、オレを信じて? ゆっくり大きく呼吸して……さっきみたいに……。好きだよ……友悟……」 「あっ……つ……」  また少し秋斗が奥へ進んできた。  友悟は彼の言う通りに大きく息を吸い吐き出し、なんとか強張りきっている体をゆるめようとがんばった。  ものすごく痛いし、異物感もすごいけれど、それでもやっぱり友悟は秋斗と一つになりたかったのだ。  自分は本当に秋斗が好きなんだと切ないくらい実感する。

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