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八代のソレは自分のものとはまるで違っていた。機能性は同じであるはずなのに 張った嵩や浮き出る血管、大きさも何もかも。一つとして僕と重なる部分はない。 高鳴る鼓動を鎮めようと何度か深呼吸を繰り返したが、それは無意味に終わった。視覚的にも嗅覚的にも僕を興奮させるのに十分だったからだ。 反り勃った男性器の先端に啄むように口づけると、男の体はぴくりと跳ねた。濡れた窪みに舌を這わせ、“八代”を味わう。 「ッ…、はぁ…」 聞こえてくる熱っぽい吐息や 触れたその場所の硬さが彼も僕と同じであることを教えてくれる。 自分の行為で好きな人が興奮してくれいるのだと思うとやはり嬉しいもので、それだけで何でもできるような気にさせられてしまうのだ。 「ん゙…ッ、…ぅ…」 僅かな知識を集結させ、自ら昂りを口内に迎え入れる。時折嘔吐(えず)きそうになったが、やめようという気にはならなかった。 「ぁ…やば…ッ、クソ…」 八代のこんな声はきっと僕しか知らない。そう思うと この関係も悪くない気がしてくる。 自分の方が八代を知っているのだと驕り高ぶっているわけではないが、少しばかり勝ち誇った気分になっていたのは事実だ。 “先輩”でいる時よりずっと、彼を近くに感じられる。 思い焦がれた男に触れることが出来る。 それがこんなにも幸せなことだったなんて。 もっと早くに気がつけば良かった。

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