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貴方が欲しい。

――ここだね」  薄い唇が微笑を浮かべる。けれどもその微笑はいつもとは違う。欲望の炎をサファイアのその目に宿していた。カールトン卿は男性の色香を放っていた。  今まで見たことのないその表情を目にしただけで、セシルの胸がときめく。  今、彼にそういう表情をさせているのは自分なのだと実感すると、気分が高揚する。セシルは自らも腰を揺らし、淫らに彼を求める。  そして骨張った指は感じているセシルをいっそう深い快楽へと誘う。敏感になっている凝りのそこを執拗に擦り続けた。 「やっ、だめ、そこ! やあっ!」 「いい子だ。そのまま委ねなさい」 「やああっ、ヘンになるっ、ヴィンセント、ヴィンセント!!」  気が付けば、セシルはカールトン卿の腰に足を絡めていた。一本から二本へと、セシルの肉壁を弄るカールトン卿の指は増えている。  幾度となく中を擦られて陰茎から蜜を吐き出し続ける。 「セシル、ぼくが欲しいかい?」  ふたたび耳元でぼそりと囁かれ、セシルの身体は震えが止まらない。 「っふ、ヴィンセント……欲しい」  二度三度と、セシルが頷き返せば、彼も自らの陰茎をキュロットから取り出した。赤黒くなっているそれはセシルのものよりもずっと太く、雄々しい。  これから自分は弄られたそこで雄々しく勃ち上がった彼を受け止める。  おかしなことに恐怖は感じない。自分の乱れる姿でカールトン卿の陰茎がこのような状況になっているのだと思えば、嬉しいとさえ思ってしまう。

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