111 / 140
第111話
「ミヤビ様」
「ん?」
「そろそろ帰るお時間ですよ」
「そっか」
「あちらへ戻られても暫くはお体が辛いかと思います。ご無理はなさらず。一月ほどはゆっくりお休みくださいね」
「ありがとう。…そろそろかな…またね。二人とも」
二人に手を振る。次に目を覚ましたらカナメがいてくれた
「おはよ。カナメ」
「おかえり…ミヤビ…良かった…」
「ごめんね。体力なくて」
「ほら。抱いてやれよ」
「うん。」
暖かい重み
「可愛い…」
「そうだろ。お前に良く似て可愛い」
ふわりと笑みを浮かべる我が子が愛しい
これから先この子も色々な不安をかかえることもあるだろう。普通の子供とは違う厳しいことも多いだろう…
でも皆がいてくれるから。だから…
「ミヤビ?」
「ん?」
「泣いてる」
「だって…幸せで…」
静かに俺を抱き締めるカナメに身を委ねた
君はこれからどんな夢を見る?
きっとその後にはキラキラした明日があるから…
だから…共に生きていこう…
完
ともだちにシェアしよう!