「桜緋！！」 今日も賑やかな人がやってきた… 「どうされましたか？坊」 「ねぇ！！それやめてっていってるでしょ！！！もう！僕のこといくつだと思ってるの？」 「17ですね」 「ね？坊っていう、年でもなくなったじゃん！！！」 「…はぁ…」 「ねぇねぇねぇ！！そろそろ考えてくれた？あの返事」 「何度もお伝えしているでしょ？従者である私はお気持ちに答えることはないと。それよりあなたカナメ様に似て相変わらず人気あるんですから恋人の一人でも作った方がいいのでは?」 「もう！！やだっ！！桜緋がいいの！！」 「…うるさいです。いい加減になさってください」 ねぇ。坊…俺はあなたを愛していますよ…でも…だめなんです…俺は…あなたの従者なのですから…それに…もう…時間がないのです…俺は…もう天界へ行く時が迫っているのですよ。 それに…あなたはこの場を収めなければならないのです… ミヤビ様のお陰で今は何もなくゆっくりと時が流れていますけれど… この土地は東郷家が終得ないようしなければならないのです。 だからあなたは世継ぎを残せる方と生きねばならないのですよ…　　 人の世ではここ最近あの忌々しい儀式をしなくても子を成せる治療薬もできました…だから性別は関係ありません…けれど…俺は…だめです。俺は…ここにずっとはいられないのだから… 「桜緋」 「ミヤビさま」 「ごめんね。またお邪魔してたんだね。ほら。もう学校の時間だよ。社君来てるよ」 「やっくんきてるの？もう！お迎えはいいって言ってるのに…」 そう…社様のようなあなたを思えるお相手が…あなたには… 社様は普通の人間ですが感受性豊かで人ではないものも見える人です。その力はあるのですから適任かと思います… 「桜緋。今日は向こうへ行く日だよね？」 「えぇ。戻りは3日後くらいかとおもいます」 「うん。わかったよ。」 俺はね。あなたを思いたまりに溜まったいろいろなものを他のものと発散しているのですよ。貴方が言うほど美しくない… 「ミヤビさま」 「ん？」 「私は…早めにあちらに行けるよう話をしてこようと思っているのです…」 「…零真のこと…？」 坊…零真様…これ以上あなたの側にいると俺は…あなたを無理矢理組敷いてしまいかねない…だから… 「どうしても…従者とは…」 「…えぇ…そんなことしてしまえば…この地は壊れてしまう…これまでの理から外れるのですから…だから…」 ミヤビ様が俺を優しく抱きしめる。零真様と同じ優しくて強い匂い… 「申し訳ありません…従者なのに…俺」 「桜緋は息子だよ…俺の愛する息子…だから俺には弱みを見せていいんだよ」 「零真様をどうしようもなく…愛してしまっている…苦しい…辛い…他の人と幸せになる姿なんて…見ていたくない…でも！！でも…俺には…」 情けなく失礼にも主の胸で子供みたいに泣く俺を自分まで涙を流しながら強く抱きしめ続けてくれた