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第119話
零真…零真…俺は…出会った頃からお前を愛してる…
お前が誰を思っているのかもちゃんとわかってる…
でも…結ばれることがない相手を思うのって苦しくないの?
俺だったら…ずっとお前の側にいられるのに…
何かに取り憑かれそうになってたら仕方ないなって零真が沢山キスしてくれる…抱きしめてくれる…沢山愛してくれる…
誰にも言えないけれど俺はそれが欲しくて敢えて取り憑かれに行ってるんだ…
ねぇ。あのね。俺ねもう一つお前に秘密にしてることあるの…俺ね妖魔の子孫なんだよ。昔ここらあたりで悪さしてた妖魔なんだ。色情魔ってやつだったんだって。だからそういう輩が寄って来やすいの。
ミヤビさまは本当は知ってるんだ。俺のその秘密。だって悪さしていた俺たちの祖先に手を差し伸べてくれたのはミヤビさまだから。
俺たちの身内に東條家を恨んでいるものは少ない。
けど中にはまた東條家に悪さしようって。乗っ取ってやろうって言ってるやつが全くいないわけじゃないんだ。今はどうにか上の力の強い人たちが…ミヤビ様に忠誠を誓った者たちが抑え込んでるから俺だけですんでる。
俺は東條家を滅ぼそうなんて思ったことはないけれど零真への想いはバレてるからそこに漬けこまれてしまうことも多いんだ。
本当は俺を守るために札や紋も焼き付けてくれてるんだけどある封印を意図的でなかったけれど解いてしまったから今は特に増えてきてて…
俺の零真への思いも歳を重ねるごとに強くなってるから解いた呪がもろに今来てるの…
あとどのくらいこうしてお前の隣にいられるかな?
いつか俺は俺でなくなるだろう…俺が俺であり続けるためにはお前に俺の思いを受け止めてもらって俺を選んでもらうしか方法はないんだ…
お前を苦しめるから絶対に言えないんだけどね
ねぇ。零真…俺が俺でいられなくなるその時まで俺の隣で笑っていてくれるかな?
壊れた俺を殺すのは零真。君がいい…
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