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第1話

ただ散歩していただけ そんな俺に遊び人風のイケメンが声をかけて来た 人とはほとんど関わらなかった俺がこんなイケメンと知り合いな訳がない 無視して立ち去ろうとするが彼は横に並びついて来た 一人でひたすら語りかける彼を見えないものとして扱う 「あ。友達の家。ちょっと寄るから待ってて」 待っている理由もないため彼の目を盗んで立ち去る 気配を消すのは得意だ いつもと違う道に入り込み姿を隠すように歩く しばらく歩いていると爆発音がすぐ側でした 何事かと振り返ると物騒なもので俺を狙っている輩がいた たった今通ってきた道は木々が焼け落ちていて 先ほどまで愛想よく俺に語りかけていた彼の友人と思われるガタイのいい男がこちらに銃口を向けていた 「ちょっ…何やってんの!やっと出会えたのに…」 「いや逃げるから捕まえようと…」 言葉少ない彼。真剣に俺を止めようとしたのはその表情からわかるがもっと他にやり方はなかったのだろうか… 身の危険を感じ急いでそこを立ち去る。 走るのは得意だ 「待ってよ」 イケメンが走り寄ってくる。尋常ではない速さで… 何度も道を変え逃げても逃げても追いかけてくる…ついに足が縺れてしまった俺を彼が受け止め組み敷いた 「捕まえた。何で逃げるのさ。もう…あまり使いたくなかったけど…」 髪に隠れていた右目が青く光る 「これみたらみんなどんな奴でも俺に落ちるんだよね。それが俺の能力の一つだから」 組み敷かれ目を見開いたまま逸らそうとしても地面に縫い付けられたように動けないでいた 「ねっ…」 彼の顔が近くなってくる。キスされる…そう思った時だった… 俺の周りに陣が広がる 「人のものに手を出そうとは。さすが狐だな」 「あぁ…何かまじないかかってると思ったらお前かよ」 「よう。ミヤビ」 「シンさん?」 「おぅ。ごめんなぁ。遅くなって」 俺が人と接触したがらない理由…それは人ではないものが見えるからだ 見えてしまえば回りにも何かしら影響が及ぶことがある。 そういった理由から幼い頃から人との接触を極力避けてきた 元々東條家は代々人外の者を統治してきたのだが両親が不慮の事故で亡くなり不安定になったため最低限の安定しか保てなくなった。 それ故鬼神であるシンさんとその配下の者に手伝ってもらっていたのだが… まだ覚醒しない俺のせいで鬼達の負担は大きく体力だけが自慢の彼らでさえ弱ってきてしまう。 俺の血液や汗、唾液などの体液を与えればすぐに回復できるのだがいかんせん数が多い。流石に俺一人のものでは限界がある。 そこで結界を張り少しでも妖力の消費を抑えてはいたのだが先の雷で結界を結ぶ一本の鳥居が焼け落ちてしまった お陰で良くないものたちが暴れだしてしまったようだ

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