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第1話
もし、余命をうっかりと聞いてしまったら……人はどうするのだろうか?
前向きになってやりたい事をやって命を終える?
それとも……どうせ死ぬんだから今死んでもいいんじゃない?きっと楽になれる。……そう思う?
俺は前向きにもなれないし、やりたい事なんてない。
きっと、精神的に参っていたんだと思う。
突発的に死んでやろうと思ってロフトにロープを吊るし、椅子に乗り……さあ、死のうっていう時にカーテンの隙間から覗く誰かと目が合った。
目が合うとかおかしくね?
カーテンの向こうはベランダでここ、7階だよな?
えっ?泥棒?
でも、泥棒なら人が居るって分かったら逃げないか?普通……なんでこっちをじーっと見ているんだよ!!
見ている相手は何を考えいるのか窓ガラスをノックしてきやがった!!
開けるわけねーじゃん怖いのに……って、今から死ぬのに怖いとかおかしくないか?
うん……そうだよね。俺……死ぬんだ……今から。
今から……死ぬ……っていう時に窓の向こうに居た相手が中に入ってきた。
目の前にすーっと現れた……はっ?
はああああ!!!!
本当はシャウトしたかったのだけど、叫び声で誰かくるのも嫌だし警察に連絡されるのも嫌だ。
なので、落ち着け自分!!どうせ夢だ!と自分に言い聞かせた。
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