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第10話

瀬尾んちは思ってたより狭くて 思った以上に汚かった。 洗ったのか洗ってないのか分からない服をその辺に放ってなんとか座る所を確保してもらって恐る恐るどう見ても万年床の布団に座った。 ───けど、どうにも落ち着かない。 『瀬尾…ごめん!掃除させて!?』 『…え?』 これから告白…いや、もしかしたら初体験するかもしれないっつうのに、これはない! 俺は掃除機を手に しなくてもいい戦いに挑んだ。 『はぁはぁ…つ、疲れた…』 『おおお。部屋が輝いてる!』 部屋は見違えるようにピカピカになった。 しかーし!時刻は22時! つまり、あと2時間しかない! 『よし!飲もう!早く!』 『え…?あ、ああ…うん』 改めて座って、乾杯。 『ありがとな十色。悩み聞くよ!』 『あ…あぁ、うん…あの…』 ど、どうする!? もう時間ないし…思いきって ストレートに言っちゃう!? よし! 言っちゃう!! 『あの…俺!す、好きな人ができて…』 『え?十色に? お前、恋愛に興味なさそうだったのに?』 『う、うん…それが…女の人じゃなくて…』 『……は?えぇ!?女じゃない? ってコトは…まさか、男!?』 『そうなんだ!で、その相手っていうのが…』 『お、おぅ…』 よし!言うぞ!! 大きく息を吸い込んだトコロで 瀬尾のスマホが鳴り出した。 『あ。課長からだ。ちょっと待ってて』 『え…』 瀬尾は のんびり立ち上がるとキッチンの方へ行ってしまう。 『…あああ!もう!』 時間ないっつーのに! 課長のバカッ! タイミング悪いんだよっっ!! 『ホントだよねぇ♪』 『ああ…まったく』 タイミングよく後ろから声がして 返事をしてしまってから振り向くと… 『ノ、ノル!?』 ノルがいた。 『やあ♪』 『やあ、じゃない!何しに来たんだよ!』 『何って応援に~♪』 『応援?…あ!もしかして また時間戻してくれるとか?』 『それは1回だけ~』 な、なんだ…ダメなのか じゃあ、何しに…? 『──って!わわわっ///!ちょっと! なにしてんだよっっ///!!』 いつの間に!? ってくらいの早業で俺は… ノルに服を脱がされて半裸になっていた。 『ほら、これも♪』 『わ///!待て待て待てっ///!』 バンツまで手をかけられて ぐいぐい引きずり下ろそうとするノル。 ちっさいくせに力が強い。 『やめろってバカッ///!』 その時… 『十色、おまた……せ…?』 『───あっ!?』 瀬尾が戻ってきてしまった。

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