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宇佐木くんと千歳くん・1
「RION!俺、あおいと付き合うことになったから」
「……は?」
「付き合うっていうかー、付き合う前提のトモダチ?になったから!まぁ同じことだよな」
「ちょ、ちょっと待って千歳くん、何のこと……?」
「何って、俺前にRIONにあおいの連絡先聞いたでしょ」
「つーかあおいって……宇佐木ぃ!?」
それは、まさに寝耳に水だった。今日は千歳くんと一緒の撮影で、仕事が一段落したから控室で一緒に着替えていた。そしたら急にそんなことを言われたのだ
まず俺は、千歳くんのいう「あおい」っていうのが誰のことか分からなかったんだけど……。だって多いだろ最近、「あおい」って名前の子。男でも女でも。
宇佐木のことはずっと宇佐木って呼んでたし、一番仲のイイ昂平でさえ『うさぎどん』なんてふざけたあだ名で呼ぶから、宇佐木の名前があおいっていうのを忘れていた。
でも、俺が千歳くんに連絡先を教えた人間はただ一人だったから。
「いッ、いいい、いつからっ!?」
「んーと、二週間前くらい」
「めちゃ最近だね!?つーか俺が宇佐木の連絡先教えたのと同じくらい!?」
「うん。次の日会った」
「次の日!?」
「その日にセックスした」
「セッ……えええええ!!?」
なんてこった!俺と昂平なんてお互い好き同士だったのに、身体を重ねるまでに一体何年かかったことか。それをい……い……いちにちっ!?
えーうそーっ今ドキの高校生ってそーなのぉ!?(混乱のあまりJK化する理音)俺だって今ドキの高校生のはずなんだけどまさかそんな、
……ん?
「ちょっと待った!宇佐木は小野先生が好きだったはず」
毎日毎日健気に保健室に通っていたのを俺は知ってるぞ!!
「あーその先生にはね、けっこー前に振られたらしいよ?」
「え……」
あっさりと返された。
そういえば……
”もう来んなって言われたから”
”なんで?”
”何でだろねー”
あのときには、もう……?
そっかぁ……。
「そんでさぁRION、あおいのことで相談に乗ってほしいことがあるんだけど、いーかな?」
「相談?千歳くんが俺に?」
もう既に身体の関係まであるというのに、今更俺に何の相談があるというのだろうか、このイケメンは。
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