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「それでなー昂平、……聞いてるか?」
「聞いてるぞ」
俺は仕事終わりに昂平に家に寄って、さっき千歳くんから聞いた衝撃の事実を伝えた。けど、昂平は至極あっさりとした反応で……正直、つまんねぇ。なんで!?俺はすっげーびっくりしたのに。ていうか勉強しながらとか、俺の話をテキトーに聞いてんじゃねーよっ。
俺は、腰を降ろしていた昂平のベッドから立ち上がると、机に向かって数学の課題をやっている昂平の背中へと抱きついた。昂平の身体が少しピクッと反応したことに、多少気分を良くする。
「……もしかしておまえ、知ってたとか?」
「付き合ってるとは知らなかったが、千歳からしょっちゅう宇佐木についての質問メールが来ていたから、気があるのはなんとなく気付いてた」
「なーんだ。俺にも教えてくれりゃよかったのにー」
「いや……別に言うほどのコトじゃないだろ」
まあな。でも、俺だって千歳くんとも宇佐木ともトモダチなのに!確かに昂平の方が宇佐木と同じクラスで仲良しだから、昂平に聞くのは当然かもしれないけど……。
「……千歳がお前にメールしなかったのは、俺に遠慮してのことだと思うが」
「え?」
グイッ
「んっ」
昂平が振り向いて、目を閉じる暇もないほど早く唇にキスされた。不意打ちすぎて、俺は思わず赤面してしまう。
「……俺とだったら、どうなる心配もないからな」
「そんなの、俺だって一緒じゃんっ……」
「違う。千歳は理音のことが好きだったからな。例え他のヤツの相談だって俺は嫌だ」
そう言って、昂平はもう一度俺にキスをした。そして俺を抱きしめると、そのままベッドへと二人でダイブした。
「ン……今日、千恵さんは?」
「夜勤だから帰ってこない。……だから、俺のところに来たんだろ?」
「明日も、朝練あるぞ」
「頑張って早起きしような」
「ちょ……こうへっ……ンン……ッ」
別に、期待してたわけじゃないけどしてなかったわけでもない。だから昂平の手が俺の服の中に入ってきても、俺はそれを咎めることはしなかった。
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