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理音からタダ券2枚を受け取った千歳が、チケット売り場でまとめて四人分の入場券を貰ってきた。こういうのは一番年上のヤツに任せるに限るな、うん。
「ほい、フリーパスバンド。全員ちゃんと巻いとけよー」
「ありがと千歳くん」
「ありがと、シンジ」
「サンキュー、千歳」
最後に俺が受け取る。が、その際に何故か俺だけ……
「ちゃんと巻けるか~?昂平」
「ま、巻けるに決まってるだろ……」
ガキ扱いされた。千歳め、俺のこと馬鹿だと思ってるだろ、絶対。
うーんでも、年とか関係なしに千歳はなんか兄貴っぽいな……やたらと面倒見が良いというか、なんというか。理音が、千歳が兄貴みたいだって言ってたのがなんか分かる気がする。
「じゃあ最初何から行く?」
宇佐木が全員に聞いた。
「やっぱ絶叫マシーンだろ!すぐ乗れるし」
理音が言って、特に反対する者はいなかった。
なんか、わくわくしてきたな……!絶叫マシーンとか何年ぶりに乗るだろうか。中学の修学旅行以来じゃないか?部活が忙しくて、なかなかこういうところは来れないしな……。
すると。
「ん?」
いきなり左手に柔らかな感触がして、見てみると……
「り、理音!?」
な、な、なんと理音が、俺の手をにぎってる(※繋いでる)でわないかーッッ!?!?ええええええ!!こんな、こんないきなりデレるのかぁぁぁ!!?!?
「ゆ、遊園地着いたら手ぇ繋ぐって約束したろ……」
なんて言い訳するみたいに言うけど、そんな真っ赤な顔で言われたら今すぐ襲いたくなるじゃないか!!あと別に約束はしてないぞ!!けど律儀だな!!
「か、勘違いすんなよ、これはあくまで千歳くんと宇佐木をラブラブにさせるための作戦なんだからなッ、お前も協力しろよ」
「何をすればいい?今すぐ抱きしめたらいいのか!?」
「い、今やれってわけじゃねぇよ!!」
ああああ~理音が可愛い、可愛すぎる!!千歳と宇佐木をくっつける作戦なんて俺には心の底からどうでもいいけど、それを理由に理音がくっついてきてくれるならもうこの二人には一生くっつかないでほしいな!!
……なんて言ったら理音が怒るだろうから、勿論思うだけにしておく。
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