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ホラーハウスの前はほどよく人が並んでいて、待ち時間は40分程だった。並んでいるのはほとんどが恋人同士だったけど、中には中学生の男女のグループや、俺達と同じ高校生っぽい奴らもチラホラと見かけた。
まあ、100%ホモなのは俺たちのグループくらいかな……。
「え、四人で入るんじゃねぇの!?」
「「いやいや理音(RION)、それはないだろ」」
「なんでぇ!?」
四人で入ろうとしていた理音くんに対して、声を揃えて否定するタチ二人……こんな時だけ協力すんなよ。もちろん俺は理音くんの味方だけど。
「みんなで入った方が恐くないだろ。俺も四人で入るのに賛成」
「宇佐木ぃ……だよな!!」
暗闇に二人とか、何されるか分かったもんじゃないし。てゆーかフラグ立ちすぎだろ。オバケ役に見られながらヤらしいことされまくるんだろ。主に、理音くんが。
「俺は全然恐くないぞ!」
「俺も恐くないなぁ~」
「お前らは恐くなくても、俺と理音くんは恐いんだよ!」
四人でワイワイ入った方がいいに決まってる!理音くんも激しく頷いていた。
が、しかし。
「あれ?でもこのホラーハウス、入場は家族以外は1グループ3人までになってるぞ。はは、お子様や心臓の弱い方は入場をご遠慮くださいって書いてる。相当恐いんだろうな」
わんこが目敏く看板の注意書きを見つけた。なんてこったい。
***
「ギャアアアアーーー!!!!!」
「落ち着け理音、全部作り物だ「ンギャァァァァーーー!!!!」
先に行ったわんこ&理音くんペアの行き先から、とんでもない悲鳴が聞こえてくる。入ったばかりだからか、わんこのツッコミも聞こえてきた。
理音くんのものすごい悲鳴に、係の人もちょっと苦笑している。理音くん、絶対泣いてるんだろうな……ホラー苦手ってマジだったんだ。
てか、マジでそんなに恐いのか!?
「ははっ、RIONメチャメチャ恐がってるな~。昂平はオバケよりもRIONに夢中だな!」
「いや、理音くんよりオバケに夢中だったらそれはそれで恐いから……」
「まあ、ホラーだな」
入場待ち中、理音くんのあの悲鳴を聞いてもシンジは顔色一つ変えない。(いや、笑ってはいるんだけど)俺は内心かなりビビってるというのに……。
あれか?演技か??いや……そんな風には見えないな、悔しい……。
「それでは次のお客様、どうぞ。行ってらっしゃいませー」
係員の女の人に促されて、俺とシンジも続いて中に入った。
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