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第2話
フロエ・クフォード家は代々、純血人種アルフ族だ。希に生まれてくるオメガは神の子と崇められてきた。他の獣人と交われる貴重な存在だからだ。
そして、フロエ家に神の子と授かった。三男、フロエ・クフォード・トウヤは礼儀正しくとても美しい男性に育った。
ある日一人の両性類人が訪ねてきた。父、フロエはその両生類人とても親しいらしかった。その横にはトウヤと同じ年ぐらいの両生類人の子がいた。
父は僕にこう言った。
「この子がトウヤの許嫁だよ」
僕は愕然とした。どうしてこんな美しい自分がこんな化け物の許嫁なんだって……
カエルの頭に身体が人。なんて滑稽な姿なんだ。僕が不機嫌なのを気にしているようだが、出来れは僕を見ないで欲しい。
「あ、あの僕……リュウ……クロフ・エド・リュウです。君は?」
僕は彼を一瞥すると、目を逸らし聞こえない振りをしようと思ったが、父親達が見ていのに気付き仕方なしに自己紹介をした。
「トウヤ……フロエ・クフォード・トウヤ」
「トウヤか僕達、同じ東洋の名前だね」
不気味なほど大きい口の口角を上げて笑った。微塵も可愛いとは思わなかった。僕は引きつった顔を誤魔化しながら、おまえと一緒にするなと心の中で悪態を吐いていた。
僕は可愛い触り心地のよさそうな女の子がいいのに、どうしてこんな気味の悪いしかも男の許嫁なんだ。お父様もどうかしてる。
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