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第12話
翌朝
「おはよーございまーす!大石先輩」
「お、おはよう桃…」
誰よりも早く朝練に来て、部室の鍵を開けようとしていた大石は桃城の声に振り返る。
「今日は晴れて良かったっスね!」
そう言う桃城の隣に立っていたのは…海堂だった。
「…海堂っ!?もう部活に出て大丈夫なのかっ!?」
「…っス。色々と迷惑かけてすんませんした…大石先輩。」
ぺこりと頭を下げる海堂に、大石はただおろおろとするだけだった。
「え、え…って事は…」
「海堂の奴、もう記憶戻ったんスよ♪」
桃城が満面の笑みで答える。
「っそうなのかっ!?」
「はい」
「そうかぁ!それは良かった!」
「やっぱりね。海堂の事は桃に任せておけば良かったでしょ?」
「昨日、二人でハンバーガーショップに行ったのを見て俺は気付いていたけどな。」
やって来た不二と乾が言う。
「何だよ~分かってたなら教えてくれよっ!」
…大石はいつでも不憫な役割である。
「ねぇリョーマくんリョーマくん!海堂先輩の記憶戻ったんだって。」
「ふ~ん」
「『ふーん』って、リョーマくんやけに冷たくない?」
「あの二人の事、心配するだけ無駄じゃん」
…そして越前はいつも通りの憎まれ口を叩いているのであった。
終
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