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第11話
「俺はお前のせいだなんて思ってねぇよ」
けろりとした海堂の口調に、桃城は唖然として海堂の顔を見た。
その桃城の不審な目つきに海堂は気付く。
「……何だよ」
「お前、もしかして…記憶、戻った…のか?」
桃城にそう指摘されると、海堂はハッとして顔を桃城から逸らす。
「ちょっと待て!顔逸らすな!こっち向いてちゃんと俺の顔見ろよ海堂っ!」
言いながら、桃城は海堂の肩を掴む。
振り返った瞬間、海堂の顔は耳まで赤くなっていた。
「……思い…出したんだ…たった今……」
「ホントに…?」
「あぁ…」
赤面した顔を隠すように海堂は俯く。
「ゴメン海堂…俺お前に何て謝ったら良いか……」
責任を感じて俯く桃城の頭に、海堂の裏拳が炸裂する。
べちっ
「だからテメェのせいじゃねぇって言ってんだろうがっ!」
「だって現に俺のせいだろっ!?」
「違うっ!!」
「違わないっ!!」
「~~~~~ッ!!」
「……」
勝負のつかない口喧嘩。
海堂が溜め息を吐く。
「あくまで自分のせいだって思ってんなら…桃城」
「…何だよ」
「ハンバーガー奢れ。それでチャラにしてやるよ。」
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