11 / 12

第11話

「俺はお前のせいだなんて思ってねぇよ」 けろりとした海堂の口調に、桃城は唖然として海堂の顔を見た。 その桃城の不審な目つきに海堂は気付く。 「……何だよ」 「お前、もしかして…記憶、戻った…のか?」 桃城にそう指摘されると、海堂はハッとして顔を桃城から逸らす。 「ちょっと待て!顔逸らすな!こっち向いてちゃんと俺の顔見ろよ海堂っ!」 言いながら、桃城は海堂の肩を掴む。 振り返った瞬間、海堂の顔は耳まで赤くなっていた。 「……思い…出したんだ…たった今……」 「ホントに…?」 「あぁ…」 赤面した顔を隠すように海堂は俯く。 「ゴメン海堂…俺お前に何て謝ったら良いか……」 責任を感じて俯く桃城の頭に、海堂の裏拳が炸裂する。 べちっ 「だからテメェのせいじゃねぇって言ってんだろうがっ!」 「だって現に俺のせいだろっ!?」 「違うっ!!」 「違わないっ!!」 「~~~~~ッ!!」 「……」 勝負のつかない口喧嘩。 海堂が溜め息を吐く。 「あくまで自分のせいだって思ってんなら…桃城」 「…何だよ」 「ハンバーガー奢れ。それでチャラにしてやるよ。」

ともだちにシェアしよう!