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第10話
「俺の…せいなんだ……海堂は俺を庇って…」
桃城の両目から涙が零れた。
咄嗟に桃城の顔に伸ばした海堂の手が、ぴたりと止まる。
「ゴメンっ…かいど……」
桃城は自らの手で顔を覆った。
拭っても拭い切れない涙がシャツに染みる。
ふわっと何か暖かいものに包まれた感じがしたが、桃城はそれが何か分からなかった。
涙で揺れる視界の中に映ったのは、白い海堂のパジャマ。
海堂は、桃城を抱き寄せ、胸の中で抱き締めていた。
「海堂……?」
「……マヌケ」
「!?」
突然の海堂の言葉に驚き、桃城はバッと海堂から離れると、海堂の顔を見た。
すると、そこにあったのは、いつも通りの皮肉めいた海堂の笑み。
「…海、堂…」
「お前、そんなの自分のせいだとか思ってたのかよ」
「海堂ッ!?」
この口調は…
もしかして…
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